My important place【D.Gray-man】
第34章 Resonance
『デビッ…卜…?』
不安になる
今までずっと一緒だったから
声が全く聞こえなくなることなんてなかった
なのに呼んでも応えがない
『 奴ヲ許スナ 』
違う
その声じゃない
誰
僕の中で呼びかけてくる声
ガンガン響く頭の痛みが一層強くなる
『 奴ヲ許スナ 』
違う
違う
呼んでるのは君の声
デビット
何処なの
『デビット…ッ』
消えないで
もうひとりの僕
皆はデビットなんていないって言うけれど
ちゃんといるから
だって君は僕で、僕は君
『 奴ヲ 許スナ 』
ふたりでひとつ
『デビット…っ!』
だから 消えないで
『バーカ、誰が消えるか』
声は すぐ傍にあった
『お前はオレだろ』
温かい腕
感じたのは、抱きしめられる感覚
聞こえたのは強い声
それは頭の中じゃなく、傍ではっきりと
『……デ、ビ…?』
重ね合わされた額と額
すぐ目の前にある、なんだか馴染みある顔
見えたのは
二つのブラウンの瞳
僕の左目と同じ色
つんつんと跳ねた真っ黒な髪
僕の髪の毛と半分だけ同じ色
僕を抱きしめてくれていたのは
同じ背丈の、知らない男の子
なのに
すぐにわかった
これは もうひとりの僕