My important place【D.Gray-man】
第34章 Resonance
『…ぼくのこと、化け物に見えないの…?』
『化け物ですカ? 我輩にはあの人間達の方が、余程化け物に見えますけどネェ♡』
『あのって…シスター達のこと…?』
『口では綺麗事を言いながら、面倒だと思うと切り捨てル♡ "神の使い"などと偉そうな肩書きを持ちながら、その中身は偽善者ぶった醜い生き物デス♡』
ずっとニコニコ笑ってるけど、その声はなんだか冷たくて
笑っているようで、まるで笑ってない
そんなピエロさんは少し怖かった
…でも…シスターを悪く言わないで
『シスター達は、悪くないよ…ぼくが、おかしいから…』
『どこが可笑しいんデスカ?』
『え?』
『可笑しいところなんて、ありまスカ?』
『……』
首を傾げて笑うピエロさんに、言葉が詰まる
今までそんなふうに問いかけてくれた人はいなかったから
どんな言葉を返せばいいのか、わからなかった
『……ぼく、は──…』
──ズキッ
『いた…ッ?』
急に頭に大きな痛みが走った
『さぁさ、お目覚めの時間デスヨ~♡ 第10使徒~のボンドムちゃン♡』
『ぼ…? 何、それ…ッ』
『以前のボンドムは双子でしたガ…今回はこれまた特殊な双子ちゃんデスネ♡』
双子?
それって僕と──…デビットのこと?
『そうデス♡』
『!』
僕の声、聞こえてる?
頭を押さえたまま顔を上げれば、ピエロさんは大きな手で僕の頭を撫でてきた
『ふたりでヒトツ♡ それが第10使徒・第11使徒のノアなのデス♡』
『ノ、ア…?…ぁ、頭…割れる…ッ!』
『大丈夫、そのまま身を預けていればすぐに終わりマス♡ 手間がかかるのはラースラちゃんくらいですカラ♡』
ガンガンと響く強い頭痛に体がふらつく
そんな体を、ピエロさんに支えられる
なんだろう
今初めて出会った、知らない大人なのに
このピエロさんは…牧師様やシスターとは違う
なんだかそんな気がした
『 奴ヲ許スナ 』
頭の中に響く、知らない声
デビットとは違う
……デビット…?
そういえば、デビットは?
さっきから声がしない