My important place【D.Gray-man】
第34章 Resonance
…そういえば。
第10使徒と第11使徒って名乗ってたけど…あれ確か、同じノアメモリーだったような…。
以前書庫室で調べたノアの情報を、頭の中から引っ張り出す。
第10使徒と第11使徒は共に「絆」のノアメモリーを持つと記されていた気がする。
『オレは第10使徒"絆(ボンドム)"のデビット。ハイ次!』
『同じく第11使徒"絆(ボンドム)"のジャスデロだよ!』
はっきりとジャスデビが口にしたその名は"ボンドム"という聞き慣れないフレーズだった。
もしかして「絆」の別名?
文献で記載されてたのは文字だけだったから、その呼び方までわからなかったけど。
もしかしたら別の呼び方があるのかもしれない。
…となると。
ジャスデビが頻繁に口にしていた"ラースラ"って名前も…もしかしたら──
「雪」
「え?」
名前を呼ばれてはっとする。
見ればこっちを見てくるリナリーと目が合った。
いけない、考え込み過ぎてた。
「ごめん、何?」
「うん。一応ノアのことだし、兄さんに報告しておこうと思って。雪も一緒に来てくれる?」
「…うん。わかった」
そうだよね、報告はしておかないと。
まぁ報告くらいなら、下手にボロなんて出ないだろうし。
大丈夫。
……うん、大丈夫。
「……」
大丈夫。
体に異変なんてない。
胸の間の傷跡も痛んでいない。
頭も変に痛んだりしていない。
きっと大丈夫。
『──…』
ふっと
それは私の足の傍を駆けていった。
「え?」
振り返る。
今一瞬、足元を二つの頭が駆けていった気がした。
小さな幼い子供が二人。
黒い頭と金色の頭。