My important place【D.Gray-man】
第33章 Twin of a bond
「…疲れた」
「お疲れ様である」
ぐったりと店内の椅子に座り込む。
そんな私の肩を労わるように優しく叩いてくれたのは、クロウリー。
あの後予想通り散々着せ替え人形にされて、やっとそれが落ち着いた時にはすっかり疲れ果てていた。
「にしても結構な量になりましたね…」
「女の買い物ってすげーさ…」
ガサガサと大量の紙袋を手にしているのは、アレンとラビ。
もう荷物持ち要員だなぁ、あれ。
「ごめんね雪。こんなに買うつもりはなかったんだけど…」
「大丈夫。それに皆が選んでくれたものだしね」
これでも数を絞ってくれたのは、わかってたし。
申し訳なさそうに言うリナリーに笑顔で首を横に振る。
多分、お金の心配でもしてるのかな。
流石に自分の私物になるなら、支払いは自分でしないとと断りを入れて全て私が支払った。
幸い今までこういうことにお金なんてあまり使ったことなかったから、教団での給料で充分事足りたし。
だから問題ありません。
「大事に使わせてもらうよ」
「じゃあ今度、この洋服で一緒にお出掛けしましょ?」
「うん」
頷けば、嬉しそうにふわりとリナリーが笑う。
うん。
その笑顔が見られれば、今日一日付き合った甲斐があったと思える。
ぐきゅるる~
そこに響く、聞き慣れた空腹を示す音。
目を向ければ…やっぱり。
「…お腹空きました…」
眉を下げて申し訳なさそうに笑うアレンが其処にいた。
「夕飯までまだ時間はあるし…どうせだから、スイーツでも食べに行かない?」
「いいですね、甘いもの! 賛成ですっ」
女の子らしいリナリーの提案に、素早く乗ったのはアレン。
「それなら良い店を知っています。案内しましょう」
「おー、流石朝飯がスイーツ三昧な奴さ」
「リンク、甘いの好きですもんね」
「そうなのか? 意外である」
意外にも続いて乗り気な姿を見せたのは、リンクさん。
そういえばよく読書してるけど、前にちらっと見た題名は"傑作スイーツ撰"だった気がする。
香水といいスイーツといい…女子力高いですね、リンクさん。