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My important place【D.Gray-man】

第32章 幾恋心


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「ああそれリナリーの服なんですね」

「うん、借りてるだけ」

「道理で。珍しい格好だと思ったさ~」


 アレン君達を混じえて改めて昼食を取る。
 その中で話題は専ら雪のこの姿になった。
 話題の中心になってる本人はどことなく居心地悪そうにしてるけど、仕方ないと思う。
 それだけ目を惹くってことなんだから。


「折角だし、その服あげるわ」

「えっ?」

「同じようなの持ってるし。雪の方が似合ってるもの」

「い、いいよそんな。悪いから」

「いいの。もう決めたの」

「決定事項!?」


 これくらいしないと着ないでしょ。

 今度雪を連れて買い物に行こう。
 そして今日みたいな服を買わせてあげるんだから。


「でも残念さな、雪」

「何が?」

「折角そんな格好してても、ユウは任務中だし」

「…いや寧ろそれでいいよ」

「そうですよ」

「ってなんでそこアレンも賛同なんさ」

「あの蕎麦馬鹿人間が、女性の魅力なんて理解する訳ないですし」

「言えてる言えてる」


 きっぱりと言い切るアレン君に、うんうんと腕組みして頷く雪。

 時々あの二人こうして意見合うのよね。
 うんうんと一緒に頷き合ってるの、何度か見たことがある。

 …ってその言い方からすると、もしかしてラビは雪と神田の仲を知ってるのかな?
 確かに神田はそういうことに興味なさそうだけど…相手は雪なんだから。
 そんなことないと思うんだけどなぁ。


「雪さんのこの姿を見ても最悪、何も気付かないんじゃないかな」

「あり得るあり得る」

「流石にそれはないだろ…」

「それは男としてどうかと思うである…」

「そこまでいけばある意味感心しますけどね」


 未だにうんうんと頷く二人に、呆れたラビとクロウリーの声が混じる。
 リンク監査官の言う通り、そこまでいけば感心するかもしれない。

 そういえば、通信ゴーレムのフォルムを変えられても気付かなかったんだっけ。
 それもどうかと思うけど…神田らしいと言えばそうかも。

 任務中の神田とは今此処で連絡は取れないけど、確かに雪の画像は神田の所に届いたはず。


 ……今頃どんな顔してるのかしら。











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