My important place【D.Gray-man】
第6章 異変
一瞬思考は止まったけど、我に返って慌てて医務室を飛び出す。
音量的にそう遠くもないけど近くもない。
一体何が起こっているんだろう。
ドォオンッ!!
「わっ…!」
再び巨大な破壊音。
床が揺れる程のそれは、最早地震のようだった。
本当に何が起こってるんですか…!
「あっちは…っ食堂!?」
音のした方へと走る。
カラカラと引く点滴が邪魔で、咄嗟に管を握った。
ごめんなさい婦長さん。
そう心で謝って、勢いよく腕に刺さった点滴の針を引き抜く。
これで少しは速く──
「ハァアア…」
ぞわり。
耳元に当たる、生暖かい吐息。
聞いた覚えのあるそれは、あのトイレの中。
「っ──!」
反射的に振り向いた。
見ちゃいけないものが、もし其処にあったら。
そう考えると背筋は凍ったけど、反射で動いた体は止める術もなかった。
「…ぁ…」
そんな自分の目に映ったのは。
「……マリ…?」
とても見覚えのある姿だった。