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My important place【D.Gray-man】

第32章 幾恋心


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「あらあら…まぁまぁ。雪ちゃんって化粧映えする顔だったのねぇ」

「本当、綺麗」

「ぅ…」


 まじまじと両側から覗いてくるジェリーさんとリナリーに、言いようのない恥ずかしさを感じて目を逸らす。

 結局逃げ出せずにしっかりとジェリーさんの手によって、それこそ頭から足先まで弄られてしまった。
 ホワイトパールのネイルを施された手が、まるで自分の手じゃないようで違和感が残る。


「これなら神田も絶対に手なんて上げないわよ。というか頭なんて叩いたら折角の髪型が台無しね」

「…神田はそういうの気にしないと思うけど…」


 緩くコテで巻かれた髪の毛は、編み込みした緩ふわアップにされた。
 そこに紺色の小さなリボンを飾り付けながら言うリナリーに、気付いたらそう口を挟んでいた。


「大体、神田ってそういうの鈍いと思うよ」

「あら、なんで?」

「前に科学班の皆に面白がられて、通信ゴーレムのフォルムを弄られても微塵も気付いてなかったし」


 神田と同じポニーテールの形に面白半分でゴーレムの形を変えられても、神田本人は違和感はあるものの明確な原因には気付いていなかった。
 あんなに思いっきりフォルムチェンジされたのに気付かないなんて、呆れより感心したなぁ。

 そんな神田は多分、他人がイメチェンしてもそう気付かないタイプの人間だと思う。
 戦闘に関しての洞察力は凄いけど、そっち方面は駄目なんじゃないかな。


「それじゃ、確かめてみましょ」

「え?」


 そんなことを思い出していると、不意にリナリーが笑顔で言っ──………確かめる?


「はいチーズ」

「へ?」


 パシャリと。
 呆気ないシャッター音を出してリナリーが私に向けたのは、今し方話題に上がっていた通信ゴーレム。

 …え、それカメラ機能あったの?


「これを神田のゴーレムに送っ」

「ぎゃーっ!! 駄目駄目駄目!!!」


 そしてとんでもないことを言い出すその言葉に、反射的にリナリーに飛び付いていた。

 何しようとしてるんですか!?
 ってか画像送信とかできたの初めて知ったよ!

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