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My important place【D.Gray-man】

第30章 想いふたつ



「神田!」

「神田さん!!」


 慌ただしい声が聞こえたかと思えば、月城の顔が離れて夜空が視界に広がる。
 そこに入り込んできたのは、煩い野郎二人の顔。


「雪さん! 神田は…!」

「神田さん死んじゃ駄目ですぅう!! 神田ざぁああん!!!」

「………うぜ…」


 叫ぶな、うざったい。


「か、神田さん…!? 今"うぜ"って言った!? 言いましたよね!?」

「よかった…!」


 お前らも大袈裟なんだよ。
 つかモヤシお前、ちゃんとAKUMAは全部破壊したんだろうな。


「でも急いで病院に連れていかないと」

「じゃあオレ、運びますッ」

「待って、先に喉の止血だけ…っ」


 あたふたと月城が荷物から布切れを取り出す。

 別に止血なんざ必要ねぇよ。
 もう血は止まってるし、大体垂れ流す程の血はもう体内にまともにない。
 だからこの体もまだ、まともに動いちゃくれないらしいが。


「必要…ねぇよ…」

「何言ってんの! そんな酷い怪我で…っ」

「寝てりゃ、治る…」


 目を閉じる。
 ズキズキと体の至る所が痛む。
 その再生にはまだ少し時間がかかりそうだったが、何故かほっとした。

 …多分、生きてることを実感できてるからだ。

 感覚はある。痛みもある。
 俺の頭の下にある月城の膝から伝わる、人の肌の柔らかさ。
 それが割と心地良くて、目を瞑っていると意識が落ちていきそうな感覚に陥った。

 …そういや任務中はまともに寝てなかったな。

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