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My important place【D.Gray-man】

第29章 想いひとつ



 〝神田が好き〟

 女子会で恋バナできるような、そういう気持ちじゃないと思ってたけど。
 私の今の頭じゃ、他に良い言葉なんて思いつかなかった。

 愛してると言うにはまだ未熟だけど、なんだか普通の恋心とは違う気がする。

 何が"普通"かなんてわからないけど…でも。
 きっとこれから先、例えこの想いが実らなかったとしても。
 例え本当にこの世から神田を失ってしまったとしても。
 神田に向けたこの想いだけは、代用なんて利かない。

 未来のことなんてわからないけど、もし他に好きだと思える人ができたとしても。
 この想いはきっと別に残り続ける気がする。


 私が抱えていく、きっと私の心の一部だ。


「……」


 ……うん。


「…重いな」


 思わずガクリと頭を項垂れて溜息。

 改めて感じると、重い。
 重いよ私。

 何その重度の想い…!
 一歩間違えたらストーカーとか犯罪者になるんじゃないの自分…!


「…まぁ、だからといって別に何も変わらないけど…」


 いや……うん、まぁ。
 神田相手に犯罪者になる気は到底ないけど。
 こんな暴君相手にストーカーとか絶対返り討ちにされる怖い。

 それにこの想いが実らないならそれはそれで、抱えたまま生きていけばいいんだし。

 父と母。
 私が唯一大切だったものを抱えて、ずっと今まで生きてきた。
 今更それが一つ増えたって、大して変わらない。


「…忍耐力はあるかも…」


 うん、私って凄い。
 自分で自分を褒めてあげよう。

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