• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第28章 ローマの剣闘士



「さて! じゃあビットリオを捜さないとですねっ」

「あいつをやるのは俺だ。手出しするなよ」

「はいはい、わかりましたよ」

 
 改めてビットリオ捜しだと先頭を切って腰を上げるゴズ。
 その後ろで念を押す神田に、肩を竦めてアレンが頷く。
 あんなに剣闘士として腕の立つビットリオ相手は、確かに剣術の腕がある神田が妥当かもしれないけど…。


「ゴズ。ビットリオは本当に千年生きてる剣闘士なの? イノセンスが体に宿ってるとか…」

「ええ、はい。でもあれはイノセンスが宿ってるというより──」

「イノセンスに囚われてる」


 ゴズの声に言葉を被せたのは神田だった。


「その身も心もな」


 どういうこと?


「オレ達の調べでわかったことは、あの大剣にどうやらイノセンスが宿っているらしく…しかしビットリオはただの人間でした。イノセンス適合者じゃない」

「だから俺達エクソシストみたいに、イノセンスの力を自分で制御することができねぇんだよ。強い力を前にすると、あいつのイノセンスは本人の意思を超えてしまう」

「意思を超えるって…」

「より強い者と戦い、その者を倒したい欲求に取り憑かれてる」

「そんな…それってまるで、イノセンスの暴走じゃないですか」


 驚き呟くアレンに、神田は無言で頷いてみせた。

 型は違えど…それは少し咎落ちの時の暴走に似てる。
 だからビットリオ本人にもあんな異常な力があったんだ。

/ 2637ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp