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My important place【D.Gray-man】

第28章 ローマの剣闘士



「ふーっ! お腹落ち着きました! ありがとうございます先輩っ」

「寧ろ飲まず食わずでよくそんなに動けたね…」

「オレ、体力には割と自信あるのでっ」


 そう言えばファインダーになる前は、何かスポーツしてたって言ってたっけ。
 持ってきていた携帯食を全て平らげたゴズが、元気に拳を作って見せる。

 ゴズも二日程の食料は持ってきていたらしく、それで空腹を凌いでいたとか。
 それでも此処で迷っていた日数は四日間。

 体力凄いなぁ。


「神田はそれだけでよかったの」

「ああ」


 水と少しの食料だけ口にした神田に聞けば、本当に平気らしくあっさり返された。
 …それもセカンドエクソシストの体故なのかな…。


「じゃあ次は手当てだね。神田、腹部の怪我見せてくれる?」

「平気だ。もう治ってる」

「じゃあ見せられるでしょ」

「……」


 見つけたからには神田とゴズの安否確認が先だと、私達はビットリオを追う前に暗い通路で一旦待機状態になっていた。

 カラクリがないと確認できた通路に、それぞれ腰を落ち着かせている状態。
 荷物から救急セットを取り出して神田の隣に座れば、無言で顔を逸らされた。

 …治ってないな、これは。


「あんなに深手負ったんですから。そう簡単に治るはずないですよー、神田さん」


 ゴズから聞く限り、どうやらビットリオとの戦いで一度神田は深手を負わされたらしい。
 神田の体なら常人より早く治るだろうけど…数日じゃまだ完治しなかったのか。

 …それだけ深い傷なんだ。
 やっぱり一度、診ておかないと。

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