My important place【D.Gray-man】
第28章 ローマの剣闘士
「なんで此処に…あっアレンさんも!?」
「僕達はゴズさん達の無事を確認しに来たんですよ」
「ずっと音信不通になってたからね」
「……あ。」
言われて気付いたのか、間を置いてはっとするゴズ。
「す、すみません! 通信機をAKUMAに壊されてしまって…!」
そしてサァッと顔を青くすると、がばりと勢いよく頭を下げた。
「ううん、無事だったことが何よりだよ。それよりどうしてこんな地下に…」
「それは神田さんがビットリオの後を追って──…って神田さん駄目ですよ! 怪我してるのに…!」
え、怪我?
ビットリオと激しい攻防をしている神田に、慌てて声を上げるゴズ。
その言葉に思わず神田を凝視する。
見た目はいつもと変わらない団服姿。
そこに怪我の跡なんて──…あ。
よく見れば腹部の団服が裂けていて、その下に白いものが見えた。
あれ…包帯だ。
「怪我してるんですかっ? やっぱり僕も助太刀します!」
「っ邪魔すんなつってんだろうが! テメェじゃ勝てねぇよ!」
「じゃあ神田だったら勝てるってんですか!」
「当たり前のこと聞くな!」
ぎゃいぎゃいと言い合う二人は相変わらず。
というか今はそれどころじゃないでしょ…!
目の前に手練れの剣闘士がいるのに!
ある意味AKUMAより手強いその剣闘士を前に、言い合う二人を止めようとして。
「おやめなさい!!」
凛とした声で止めたのは、別の声だった。