My important place【D.Gray-man】
第28章 ローマの剣闘士
「でも神田達のこと、結局わからなかったね」
「すみません、僕が聞く前に出て行ってしまったから…」
「ううん、大丈夫だよ。あの様子じゃサルディーニさん達はきっと知らなかったと思う」
そうかな…そうだといいけど。
…や、駄目ですけど。
というか神田の情報はこの街の何処にもなかったし。
あのパッツン、一体何処で何やってるんだろう。
「ビットリオのことは少しわかったしね」
「そうですね…クラウディアさんにあんな報告してたってことは、もしかして本当に本人は戦い続けてる気なのかもしれません」
本当にクラウディアさんを攫った相手がビットリオなら、サンドラ姫と重ねているのか。
「あの闘技場にビットリオが出現する可能性は、やっぱり高そうです」
「となると、AKUMAも寄ってくるだろうし…賞金稼ぎの人達をあそこには向かわせられないなぁ…」
明朝、ビットリオ討伐に賞金稼ぎの人達は闘技場に向かうらしい。
あんなに沢山の人達をAKUMAから守り切れるかはわからない。
クラウディアさんの安否も気に掛かる。
神田達も捜さなきゃいけないけど、先にこっちを優先させた方がよさそうだ。
討伐前に、クラウディアさんを見つけられたらいいんだけど。
「やっぱりもう一度、闘技場に向かう必要がありそうだね」
「でももう、陽も暮れてきましたよ?」
空を見上げれば、沈んでいく夕日が見える。
「うん。ということでアレン、」
「はい?」
ぽん、と肩に手を置かれる。
見れば、にっこりと笑顔を向ける雪さんがいた。
「今日は野宿でもいいかな」
「…え?」
…って、まさか。