My important place【D.Gray-man】
第28章 ローマの剣闘士
「連絡が取れてる間に、一応あの"占い"のことも伝えたんだよ」
「そうなんですか?」
「うん。雪くんからの情報だって伝えたら、神田くんから伝言貰ったんだよ~。聞きたい?」
「えっ」
思いもかけないコムイ室長の言葉に声が漏れる。
ついコクコクと頷いて返すと、にっこりと室長は満面の笑みを浮かべた。
伝言をくれるなんて…もしかして心配してたの、伝わったのかな…?
「"占いなんざ女々しいもん鵜呑みにすんな阿呆"。だってさー」
「……」
………ええ、心配した私が阿呆でした。
「…伝言アリガトウゴザイマス」
「あははー、拗ねない拗ねない。神田くんなりの励ましだよ。雪くんが心配してるって、伝えてあげたからね」
「えっ」
「ん? 違うのかい?」
「ぃ、いえ…」
違ってはいないけど…心配は、してるけど。
励ましだとしても、言葉のチョイスが神田らしいというか…なんかいつも通り過ぎて脱力した。
そんな神田が、そう易々と誰かにやられるとは思えないかなぁ、やっぱり。
「うん、力抜けたかな?」
「え?」
思わず息をついてると、そんな私を見てにこにこと室長は笑った。
力…入っちゃってたのかな、私。
「まぁとにかく、なんにせよ再調査は必要だと思ってるから。エクソシストを一人、様子見に向かわせようと思ってたんだ。だから安心して」
私の表情が硬くなってしまっていたのか、安心させるように室長の笑みが優しいものへと変わる。
…エクソシストを一人、か。
「…あの、」
「なんだい?」
「…その任務…私も同行させてはもらえないでしょうか」
生憎まだ次の任務は言い渡されていない。
どうしても気に掛けてしまうその任務に、気付いたらそんなことを室長に問いかけていた。