My important place【D.Gray-man】
第28章 ローマの剣闘士
「雪…お前の体…先程触れた時に…違和感を見つけた…」
違和感?
「っは…何…意味、わかんな…ぃ…」
とりあえず、その体を這う気持ち悪い感覚を止めて欲しいんですけど。
ぞわぞわと肌が粟立って、息が上手くできないんですけど…!
「へブラスカ! 雪さんはエクソシストじゃない! 体を探るのはやめて下さい!」
後方から届くアレンの声。
これ、体を探られてるの?
へブラスカは寄生型のエクソシスト。
その能力は、他人のイノセンスに影響を及ぼすことができる。
でも私はエクソシストじゃない。
イノセンスなんか持っていない。
私が持っているものは──
"奴ヲ許スナ"
──駄目。
「っ…!」
ぐっと歯を食い縛る。
駄目だ。
出てくるな。
触らせるな。
隠し通すって決めたんだから。
「大丈夫だ…変なことはしない…お前の体のその違和感が、知りたいだけだ…」
すると優しい声をかけながらも、ヘブラスカの細い髪が体を探るように服の中に──…待って待って!
なんか見た目的にそれ駄目!
「ぉ、おいおい…流石に直視できねぇんだけどアレ…っへブラスカってそんな趣味あったんさ!?」
「思いっきりガン見して何言ってんですか!」
「そう言うアレンも顔赤いって」
「ッこ、これは…っ」
そんな話どうでもいいから!
とりあえず助けてくれないかな!
「や、やめて下さい! 雪さんはエクソシストじゃないっスよ!」
一人、必死に駆け寄って声をかけてくれるチャオジーには感謝した。
やっぱり誠実ですね、この中で一番っ
でも止める気配のないヘブラスカに、外部の声は無駄なようだった。
「っ…いくらヘブラスカでも…ッセクハラで訴えるけど…!?」
「この気配は…なんだ…?」
「話聞いてる!?」
ガン無視しないで下さい!