My important place【D.Gray-man】
第28章 ローマの剣闘士
「ふぅん…興味深い情報だけど…でもその占いで見えた人物が、神田くんだという保証はないよね。占いの信憑性も裏付けが取れた訳じゃないし」
やっぱり。
メイリンの見たエクソシストの"死"のことを報告すれば、顎に手を当てて考えながらも室長は首を横に振った。
セカンドエクソシストのことも知ってる室長だから、やっぱりそう簡単に神田の死なんて直結しなかったんだろう。
「でも無視してもいい情報とは思わないから。神田くん達と連絡を取りつつ、様子を見てみるよ。興味深い情報、ありがとう」
「はい」
にっこり笑う室長に頭を下げて、そのままラビ達と司令室を後にした。
それならとりあえず、一安心かな。
「なんだかあっさりしてましたね」
「チャオジー、ユウがそう簡単に死ぬ奴に見えるんさ?」
「それは…見えませんけど…」
「だろ」
先輩として慕っているからか、チャオジーはまだ少し不安そうな顔をしていた。
今回は占いであんなことを言われたから、気にかけちゃってるけど…エクソシストは常に危険と隣り合わせなことが多いから。
それを考えると心配は、占いなんかあってもなくても尽きないものだと思う。
「じゃあ私、へブラスカの所にイノセンス届けてくるから」
「あっ俺も行っていいっスか? イノセンス預けるところ、見てみたいんで」
「うん? いいよ」
「んじゃオレもー」
「…ラビは見たことあるでしょ?」
「別になんとなく…って昨日からオレとチャオジーの扱い違い過ぎねぇ?」
「普通のこと言っただけです」
まぁでも、断る理由もないし。
結局そのまま三人で、ヘブラスカの所までイノセンスを届けることになった。
これ届けたら報告書作成して…それから少し寝ようかな。
神田のことも気になるけど、待つ以外には何もできないし。
結局昨日、あまり眠れなかったから。