My important place【D.Gray-man】
第26章 ワレモコウ
「お兄さんと同じ服、着てます。少しデザインは違うみたいだけど…」
「服って…」
「…団服のこと?」
メイリンのその言葉に、思わず三人で顔を見合わせる。
ってことは、つまり。
「…エクソシストってこと?」
…その可能性は高そうさ。
「もしかして教団の誰かなのかも」
「それならすぐ見つけ出せますよ!」
「メイリン、他にも情報頼むさ」
「は、はい」
エクソシストの死。
それがわかった途端、オレ達の雰囲気が変わったのを感じ取ったのか。真剣な表情で、再度水晶玉をメイリンの目が見つめる。
「…その人は、血だらけで倒れてて…体に、凄く大きな…裂け目が……」
それ以上は口にできなかったのか。黙り込んだメイリンの顔が歪む。
死ぬ程の傷なら、余程酷い有り様なんだろう。
ってことは…AKUMAとの戦闘か何かで死ぬってことさ?
「っ…」
じっと水晶玉を見つめていたメイリンの顔が陰る。
その表情は、痛々しく耐えるように。
「…泣いてます…誰かが…その人を抱いて」
ぽつぽつと零れ落ちるように紡がれた言葉に、オレ達は誰も反応できなかった。
どんな映像としてメイリンの目に映ってるかわかんねぇけど…そこまで鮮明に映るなんて。
それなら、あんな暗い顔にもなるさな…。
「……あ」
「?」
「どうしたの?」
不意に上がる声に、皆の目がメイリンに集中する。
何か重要な情報でも見えたのか。
「…消えちゃいました」
「…え?」
「へ?」
「ええっ」
それも束の間。
ぽつりと紡がれたその言葉に思わず、素っ頓狂な声が上がった。
消えたって…未来が見えなくなったってことさっ?