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My important place【D.Gray-man】

第26章 ワレモコウ



「よし村まで戻るぞ!」

「えっ!? え!? なんで!? イノセンスはっ」

「イノセンスならもう見つかったから!」

「そうなんスか!?」


 持っていた鉄槌の槌を下にして、足をかける。


「チャオジー乗れッ」

「へ? 乗る?」

「わっ!?」


 チャオジーの腕を引っ張ってオレの肩に掴まらせる。
 同時に雪の脇腹に手を回すと、そのまま持ち上げた。


「行くぞ、大槌小槌(おおばんこばん)」

「えっ!? え!? なんスか、なんでそんな急いでるんスか!?」

「ちょっと待って! 私荷物扱い!?」


 説明は後でしてやるから今は大人しく掴まってろチャオジー!
 雪はもっと飯食えよなんか軽い!


「"伸(しん)"!!」


 掛け声と共に一気に鉄槌の柄が伸びる。


「うわぁああぁあ!?!?」


 夜空に高く高く伸び上がるそれに、チャオジーの悲鳴が大きく響き渡った。

 悲鳴上げたいのはオレの方だっての…!




















「はぁッ此処まで来れば平気さ…ッ?」

「な、なんスか、なんなんスか…! 吃驚しましたよラビさん!?」

「き、気持ち悪い…」


 荒々しく着地した村の前。
 なんとかオレに掴まってたチャオジーが、顔面真っ青で地面に足を付ける。
 オレに抱えられていた雪も同じく、青い顔で地面に両手をついた。
 担いで逃げたから揺られて悪酔いしたんさな。
 それはオレが悪かったです。


「何があったんスか、ちゃんと説明して下さい!」

「わかった、ちゃんと説明する。説明するから、とりあえず人のいる明るい所に行くのが先さ…ッ」


 夜の村の入口で声を張り上げるチャオジーに、とりあえず譲れないことを何より優先させた。


「それには賛成…」


 オレの言葉に一つ返事で同意したのは、未だ青い顔した雪だった。

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