• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第26章 ワレモコウ



「あれー…? ここ何処だろう…ラビさん達にあんな偉そうなこと言ったのに…これじゃあ怒られ」

「チャオジー!!」

「え?」


 見知った姿を見つけて声を張り上げる。
 廊下の真ん中でウロウロしていたそいつは、オレ達を見るとぱっと笑みを浮かべた。


「ラビさん! 雪さんも! 良かっ──」


 その歓喜の言葉を全て聞き終える前に、横を走り様にチャオジーの腕を掴む。


「逃げるさ!」

「うわっ!?」


 そのまま勢いで目の前の階段を駆け下りた。


「は!? 急になんスか!? 逃げるって…!」

「よ、よかったチャオジー! 今度は本物っ!?」

「本物っ?」


 オレに引き摺られながら、後ろを走るチャオジーと雪の声が耳に届く。
 意味がわからず困惑するチャオジーの気持ちもわかるけど、今は説明してる暇なんてない。
 とにかくこの廃墟を出ねぇと一刻も早く!


「ラビさんも雪さんもなんか顔色悪いっスよっ!?」

「ああうん色々あったから…っ」

「色々って…あ! イノセンス見つけないと此処から出られないんじゃ」

「出口さ!」

「へっ?」


 素っ頓狂な声を上げるチャオジーと軽い雪の体を引っ張ったまま、ようやく見つけた廃墟の出口を抜け出す。
 やっと出られた外にほっとしつつも、気持ちは全く落ち着かなかった。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp