My important place【D.Gray-man】
第26章 ワレモコウ
「その修復と、ついでに夕飯調達。二人はお風呂でも入ってて」
「えっそれなら俺も手伝いますっ」
慌てて傍に寄るチャオジーに、またもや雪は笑顔で首を横に振った。
「いいよ。修復って言っても穴埋めるだけだし、すぐ済むから。それに夕飯調達は一人の方が都合いいし」
「なんでっスか?」
「身形が貧相な女一人だったら、遅くてもお店開けてくれるかもしれないでしょ」
二度目のその正論に、チャオジーは再び押し黙る。
ファインダーとして当たり前にエクソシストを気遣いはするけど、それ以上に的確な行動をしてる。
だからこそ、雪はファインダーの鏡だって言われるんだろう。
「で、でも…危ないっスよ…こんな夜遅く一人で出歩くなんて」
「大丈夫、」
それでも食らい付くチャオジーの肩を、またもぽんっと軽く叩いて。
「私こう見えて、神田から組み手で一本取ったことあるから」
笑顔でグッと親指をおっ立てて──…え、マジで?
あのユウから?
「神田先輩からっスか!?」
「ふっふっふ。神田はノーカンにしてるみたいだけど、あれは一瞬でも私の勝ちでした」
一体どんな技使ったのかわかんねぇけど。ユウが認めてないってことは………多分、アレンみたいな戦法使ったんだろうな。
卑怯技っていうか…うん、そっち系のやつ。