My important place【D.Gray-man】
第25章 Noah's memory
「チャオジー、何処かな」
「通信ゴーレムに連絡入れてみっか」
ラビの鉄槌の灯りを頼りに、暗い廊下を進む。
どうにか任務遂行できたことに、ほっと息をついた。
『キャハハハハ』
突如聞こえたその声は、真後ろから。
「「!?」」
思わずラビと足を止める。
『あたしエリー』
…なんで。
もうイノセンスは回収した。
あの部屋や廊下に漏れていた大量の水も、ラビの鉄槌で全て蒸発したのに。
「「……」」
恐る恐る無言でラビと振り返る。
鉄槌の灯りに薄らと照らされたのは、ぽつんとあのドアの前で座ったままの人形。
ただ、俯いていた顔は何故か上がっていて。
『なかよくしてね』
まるで首を傾げるように
こちらを見ながら、カチャリと頭を横に倒した。
ぞわりと悪寒。
あ、これ
"本物"だ。