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My important place【D.Gray-man】

第25章 ノア メモリー



 そうだよね。
 私の道は、私で決めなきゃ。


「本当、ラビって時に良いこと言うよね」


 うんと頷いて、顔だけ振り返る。
 きょとんと見てくるその翡翠色の目に笑って返した。


「格好良いと思うよ」


 するときょとんとした顔が…あれ。
 急にそっぽ向いてしまった。


「不意打ちで爆弾落とすのはやめてくれるさ…」


 そっぽを向いてぼそぼそと零すラビの姿は、どことなく挙動不審だった。

 何、爆弾って。
 何も落としてないけど。




















 ざくりざくりと草の地を進む。


「雪、まださー…?」

「俺、ちょっと疲れてきたっス…」

「…あれー…」


 重い足取りが続く。
 頬を垂れる汗をマントの袖で拭いつつ、思わず脱力の声が漏れた。
 後ろを歩くラビとチャオジーも同じく疲れた顔をしている。

 あれから小1時間。
 ではなく3時間、私達は目的地周辺の森を彷徨っていた。


「なんで見当たらないんだろ…」


 情報では、大きな廃墟があるらしいんだけど、それらしい建物は何処にも見当たらない。


「場所は此処で間違ってないんだけどなぁ…」

「でもその情報って周辺の人間からだろ? 単なる噂だったんじゃね?」

「えっ。じゃあガセってことですか?」

「うーん…」


 その可能性はあるかもしれない…。

 ファインダーが先に現地調査した上での情報ならしっかりしたものだけど、今回の情報は周辺の人から聞いた話だけ。
 それは実は単なる噂でした、なんて話少なくない。


「とにかく結論付けるのはまだ早いよ。もう少し探してみよう」

「えー…オレ腹減ったさー…」

「…仕方ないなぁ」


 確かに、もう時刻はお昼時。
 お腹に手を当てて愚痴るラビを否定することはできなかった。
 一旦、休憩しようかな。


「じゃあお昼休憩したら、ラビの鉄槌(てっつい)で上から一度探してもらっていい?」

「ラジャっ」


 そうして、適当な岩場辺りでお昼休憩を取ることにした。

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