My important place【D.Gray-man】
第25章 ノア メモリー
「絶対当たる占いかぁ…」
「タダでいつも見てくれるの」
「お姉さんも一度見てもらったら?」
でも占って欲しい未来なんて、そんな──。
「……」
ない。とは否定できなかった。
知りたい未来ならある。
果たして私は、このまま教団に居続けることはできるのか。
神田の隣で生き続けることはできるのか。
今の私が何よりも知りたい未来だ。
「…見てもらおうかな」
「へ?」
思わず呟けば、ラビが間抜けな声を漏らしながら驚いた。
「占いなんてそんな女子っぽいこと、雪って興味あったんさ?」
女子っぽいって何。
私、女ですけど。
「それも任務中にそんなこと言うなんて珍しいさ」
まぁ確かに。
こんな所で寄り道なんて駄目だよね。
「冗談だよ、冗談。ちょっと言ってみただけ」
「え? いいんスか?」
「うん。それより任務遂行しなきゃ」
軽く笑いながら、女の子達に手を振る。
「ごめんね、ありがとう」
「ううん」
「じゃあね、旅人さん」
女の子達に見送られながら村の外に向かえば、ラビとチャオジーも大人しく従った。
「オレは気になったけどなー」
「ラビさん、占いとか好きなんスね」
「うんにゃ、そのメイリンって美人かなって」
そっちですか。
「占いなんて所詮人間の自己満足さ。良い占いなら信じる、悪い占いなら信じない。そのくらいの方が気楽だろ」
「でも絶対当たるって言ってましたよ?」
「うーん…でもそこまでいけば、逆に占いに振り回されて自分の目で物事を見なくなんだろ。自分の道は、自分で決めるのが一番」
「おー! ラビさん、なんか格好良いっス!」
「だろ♪」
確かに、ラビの言う通りかも。
もしその占いで私の未来が暗いものだったとしても、それを信じるかと言われれば、わからない。
良い占いだったら安心するかもしれない。
それは結局、その人の受け取り方次第。