My important place【D.Gray-man】
第25章 Noah's memory
「俺、神田先輩みたいっスか?」
「うん。その心霊に強いところとか」
「へーっなんか嬉しいっス!」
にこにこと満面の笑みを浮かべるチャオジーに、つられて笑う。
チャオジーは神田と同じティエドール元帥の部隊所属になったから、先輩として神田を尊敬してるんだろう。
「任務中の神田先輩って、どんな人なんスか? 雪さん、神田先輩とよく一緒に任務に出てるって、キエさん達が」
あ、そっか。
キエさんとマオサさんはチャオジーの元サポーター仲間だったっけ。
「そうだねー…任務中はすんごく厳しいよ。普段も厳しいけど。任務遂行の為なら手段を選ばない鬼みたいな感じ」
「すげー言い草さな、雪…」
「だって本当のことだし」
「それだけ仕事真面目ってことっスね!」
「…良く言えばね」
どうやらチャオジーには神田尊敬フィルターがかかってるみたい。
まぁでも…ゴズといい、そうやって神田のことを慕ってくれる人がいるのは嬉しいことだけど。
それだけ、神田のことを見てくれてるってことだから。
そう思うと、つい頬が緩む。
「……」
するとじっと視線を感じて、目を向ければこっちを見てくる翡翠色の目と重なった。
「何?」
「…いんや」
問えば、あっさりと視線を外される。
…なんだろう。
「何かあるなら言っ」
「あっ!」
問いかけようとした声を遮って、大声を出したのはチャオジー。
「見て下さい、二人共──…何やってるんスか」
「だ…っから、大声出すんじゃねぇって…!」
「し、心臓に悪い…っ」
バクバクと鳴る心臓を片手で抑えたまま、もう片手はしっかりとラビの腕を掴む。
同じくラビも顔を青くしたまま、私に引っ付いていた。
いきなり大声出さないで下さい、本当にビビるから!
「ラビさん、やっぱりこういうの怖いんスね…お化けとか」
「お化けって言うな、お化けって。まだ何も出てねぇだろ」
しみじみと呟くチャオジーに、必死に抗ってるけど言い訳にしか聞こえないラビの主張。
今回ばかりは、先輩の面子は立たないみたい。
というか"まだ"とか言わないで、ラビ。
それなんか後から出てきそうな言い方だからっ