My important place【D.Gray-man】
第24章 3/14Whiteday
「月城」
こいつが何かに執着しているところは見たことがない。
だからといって今更そんなこと安易に聞けやしない。
でも今なら。
「お前、何か欲しいもんねぇか」
「…水なら、大丈夫…」
「違う。風邪ひいてる今じゃなく、日頃普通にお前が欲しいもんだ。食いもんでも物でも、好きなもん言ってみろ」
俺のことを夢だと思ってんなら、変な気遣いや建前も作らねぇだろ。
きっと今のこいつが口にすることは、こいつの本心だ。
リナに言われたからじゃない。
本心でこいつが欲しがるもの。それがなんなのか興味があったからだ。
「……え、と…じゃあ、」
何か考えるように、朧気に霞んだ目が部屋の天井を見上げる。
それから俺に視線を変えると、へらとマヌケに笑った。
「神田」
…あ?
「神田が欲しい」
………は?