My important place【D.Gray-man】
第25章 Noah's memory
ルベリエ長官のように人を道具としか見ていない人だけじゃなく、こうして真っ直ぐな気持ちで教団に命を懸けているチャオジーも、きっと。
ノアに対しては同じ思考を抱いている。
敵は敵。
そんなの当たり前。
そんな人の気持ちを覆せるような主張も何も、私は持っていないし…きっとそんなことはできない。
大切な人達を失って、その死を原動力に変えてチャオジーは此処に立っているんだから。
「俺の言葉なんか、あんまり気にしないで下さいね」
「…ううん。チャオジーもエクソシストの一員なんだから。自分の意見をしっかり言っていいと思うよ」
焦るように付け足してくるチャオジーに笑いかける。
人は皆それぞれ、十人十色。
抱く希望も感じる絶望も、人それぞれで違う。
そんなこと、わかってたのに。
「……」
…やっぱり、例えノア化してしまっても黙っているのが最善なのかもしれない。
そうやってラビの目も誤魔化すことができるなら…私にもできるかな。
変わらず此処で、生きていく為に。