My important place【D.Gray-man】
第25章 Noah's memory
「──絶好の任務日和さなー」
「っスね!」
「二人共なんか楽しそうだね」
次の日。
太陽が空に昇る頃にはもう、方舟を使って中国へと私達は飛んでいた。
「だって此処は俺の国っスから」
「そっか」
チャオジーは中国人だし、サポーターをしていた頃の主な活動拠点も此処中国だった。
それを考えれば嬉しそうなのも頷ける。
だから室長も、チャオジーを中国任務に当てたのかな?
「じゃあラビは?」
「オレは勿論──」
問い掛ければ、翡翠色の片目が私を見下ろす。
「……」
「?」
じっと見下ろしてくるその目に、きょとんと目で問う。
なんだろう。
「…リナリー張りの中国美人目当てで」
一瞬だけ沈黙を作って、にぱっと笑って言う言葉は相変わらず。
「はいはい。見つかるといいね、中国美人。でも主な任務活動地はあの廃墟だけど」
「うわ、折角忘れてたのに。思い出させないでくれますか、雪さん」
「任務内容を忘れちゃ駄目ですから、兎さん」
方舟ゲートが設置されている施設から出ながら言えば、後ろを肩を落としたラビがついてくる。
「懐かしい雰囲気だなぁー」
その隣でにこにこと対照的に笑っているのはチャオジー。
チャオジーは心霊系、怖くないのかな…。
…今回の任務、ラビより頼りになりそうな気がする。
「廃墟って何処ら辺にあるんさ?」
「この村から出て5km程行った所かな。森の中にあるんだって」
「うわー…超定番って感じ…」
「これくらいの距離なら小1時間くらいで着きそうだし。徒歩移動でいいよね?」
「はいっス!」
地図を広げて場所を確認する。
青い顔のラビとは対照的に、元気に返事するチャオジー。
うん、やっぱり今回はチャオジー頼みだな。