My important place【D.Gray-man】
第25章 Noah's memory
──てっきりそう思ってたんだけど。
「あれ? チャオジー?」
「あっ! 雪さん! 神田先輩もっ!」
食後にアレン達と別れて、神田とラビと共に司令室に顔を出せば、其処には既に先客がいた。
チャオジー・ハン。
元サポーターのチャオジーは、方舟事件でイノセンスの適合者となり、後に正式にエクソシストとして教団に入団した人。
「今回はよろしくお願いしますっ!」
にぱっと人懐っこい笑顔を浮かべて、勢いよく頭を下げてくる。
その一途に一生懸命な性格は誰にでも好かれて、入団してすぐに周りに溶け込んだ。
よろしくって…チャオジーも一緒の任務なんだ。
初めてだなぁ、チャオジーと任務組むの。
「前日に任務説明なんて珍しいさな。コムイ」
「どうしてもフェイくんが、今日中に説明済ませろって言うもんだからさぁ…」
「明日は明日の仕事が立て込んでいます。今日できることは今日やるべきです」
ラビの問いかけに、司令室の机に項垂れている白い屍が応えて…うわ。
コムイ室長、あれからずっと仕事漬けだったのかな…死んだ顔してる。
その隣でてきぱきと支持を出すフェイさんは、相変わらず仕事の鬼。
…室長、そういえばリナリーと会話はできたのかな。
「す、すみませんっ! 遅れましたぁ!!」
そこにドタバタと慌ただしい足音が舞い込んでくる。
何かと目を向ければ、息も荒く司令室に入ってきたのはファインダーのマントに身を包んだ巨体。
バズに似て大きな体は、長身の神田も越える程。
あ。
「ゴズ?」
「あっ! 雪先輩っ!? 今回の任務って先輩が一緒なんですかっ!?」
「えーっと…」
任務って口にするってことは…ゴズも今回一緒なんだ。
ゴズは私と同じファインダー仲間で、まだ新人の後輩。
新人具合でいけばチャオジーとそう変わらないんじゃないかな。
「うん、全員揃ったね。じゃあ分けるよー」
…分ける?
ぱんぱんと両手を叩いて場を仕切るように言う室長に、思わず首を傾げた。
分けるってなんだろう。