My important place【D.Gray-man】
第23章 2/14Valentine
「リンクさんも一緒に夕食どうですか」
「…夕食?」
どうせだしと誘ってみれば、リンクさんの目がアレンから私、私から神田、そしてまたアレンに移る。
「貴方あれ程おやつを食べたのに、まだ足りないんですか」
「おやつはおやつ、夕飯は夕飯。別腹です」
おやつ? あ…そういえば午後にアレンを食堂で見かけたって、シャワー後に鉢合わせたラビが言ってたっけ。
大量のデザートでも摂取してたのかな。
それでも別腹だときっぱり言い切るアレンの目の前には、20人分はあろうかと思える程の様々な料理が並んでいる。
流石エクソシスト一の胃袋。
「んじゃオレも一緒に食-べよっ♪ 雪、ここ座ってい」
「いい訳ないでしょ」
「邪魔だ失せろ」
「なんでオレだけ仲間外れ!?」
うきうきと同じ机にトレイを置こうとするラビを、即答で除外するアレンと神田の息はぴったり。
こういうところは本当に息が合うんだけどなぁ…ラビごめん。
「お、いたいた。おーい…ってなんか珍しい面子で食事してんな」
そこに飛んでくる新たな声。
なんだろう、ただ食事をしているだけなのにこうも他人の注目を浴びるなんて…注目株のエクソシストが二人もいるからかな?
いや、神田とアレンが並んで食事をしているからだろうな。
二人が犬猿の仲なのは周知の事実だから。
そして今度声をかけてきた人は科学班のリーバーさん。
「雪。夕食後に司令室に寄ってくれるか。今日中に明日の任務説明だけしておきたいんだ」
「明日、任務ですか?」
「飯くらいゆっくり食わせろよ」
「はは、すまん」
傍に来るリーバーさんを座ったまま見上げる。
隣で面倒臭そうに溜息をつく神田に、リーバーさんは気を悪くした様子もなく苦笑で返してくれた。
にしても急だなぁ、前日に任務を知らされるなんて。
「神田はいいよ、ゆっくり食べてて。私が説明聞いてくるから」
任務説明くらいなら一人で受けて、後日神田に引き継いだこともある。
それなら神田の食事を急かさずに済むし。
目の前の料理を早めに口に詰め込みながら言えば、見返してくる神田の眉間の皺が増した。
え何故。