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My important place【D.Gray-man】

第22章 金烏.



「はぁ…ッ捜したんだぞ、ティム…っ」

「ごめん、すぐティム返さなくて…っ」


 捜して走り回っていたのか。多少乱れた息をつくモヤシに、申し訳なさそうに月城が応える。


「いえ、それはいいんですけど…」


 ふーっと息をつきながら、モヤシの目が月城から俺に移る。
 じっと見てくるその目に、つい眉間に皺が寄る。

 なんだよ。


「なんだ」

「……いえ」


 問えば、その目はふいと逸らされた。
 …なんとなくいけ好かない。


「それより雪さん、まさかとは思いますが…ティムと一緒に、あそこに行ったんじゃ…?」

「え? あ…うん」


 ちらりと一瞬だけ月城の目が俺を見る。

 言いたいことはなんとなくわかる。
 口出しすんなってことだろ。
 俺もわざわざモヤシのことで突っ込む気はない。


「うん、ちょっとだけだけど…」

「……其処に誰もいませんでした?」

「えーっと…いなくも…なかったような…」


 なんだその曖昧な答えは。
 どうせルベリエのことを言うまいか躊躇してるんだろうが。
 そんな月城の答えにモヤシの眉が寄る。


「会ったんですね。…ルベリエ長官に」

「え、なんでわかったの?」

「ティムを捜しに行ったら、優雅にお茶してたので」


 どうやらモヤシも月城と同じく、あの事件部屋でルベリエと遭遇したらしい。


「アレン、長官に何か言われなかった? ティムのことで責められたりとか…」

「大丈夫です。それより雪さんの方こそ、大丈夫だったんですか。あの人ドSですから。何か言われませんでした?」

「うん、大丈夫だよ」


 心配そうに尋ねるモヤシに、軽く笑って月城が首を横に振る。
 そこにはもう、先程見せた不安定に立つ姿はどこにもなかった。

 やっぱりこいつはリナと同じだ。
 無闇に弱い自分を見せようとはしない。

 …そういや、ルベリエには何を言われたのか。その内容までは問い質さなかった。
 顔を暗く歪ませるくらいだ、安易な嫌味じゃなかったのかもしれない。

 ……そう考え出すと、気になった。

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