My important place【D.Gray-man】
第21章 玉兎.
「悪いな、月城。助かった」
「いえいえ。リーバーさんも大変ですね」
「任務先で命張ってるファインダーに比べれば、これくらいどうってことないさ」
苦笑混じりに応えるリーバーさんの心遣いに、つい笑みが零れる。
こういうところ、リーバーさんは優しい。
「でも本当に風呂には入れよ? ここ、汚れてる」
不意にその手が私の手首に触れる。
見れば機械整備の時にでも汚したのか、真っ黒なオイルの汚れが確かにそこに付着していた。
…もしかして本当に臭かったのかな。
「…了解です」
そう思うと、ちょっとだけ恥ずかしくなった。
…一応、私も女ですから。
一応、リナリーと同じ生き物ですから。
うん、一応。