My important place【D.Gray-man】
第20章 もしもの話
用意してくれた部屋は簡素だったけど、温かい布団もトイレもシャワーも必要な物は揃っていたから何も不便には思わなかった。
小母さんの家の空き家や、教団の地下室や、今まで過ごしてきた場所に比べれば、随分快適な場所だったから。
『ご飯、お持ちしましたよ』
元帥がいない間は、他の誰かが食事を運んでくれた。
元帥が持ってくるものと何も変わらない、同じ食事だ。
だけど中々それに手はつけられなかった。
理由は一つだけ。
──雪ちゃん、食事の時間だよ
あの暗く冷たい地下での生活と、どうしても重なるから。