• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第20章 もしもの話



 果たしてこの事実を話して尚、私を受け入れてくれるのか。それはわからなかったけれど、それでも真っ直ぐに私を見て、意味があるならと言ってくれた。
 意味があるなら、辛気臭くても面倒臭くても、ちゃんと見てくれるって。

 それだけで充分だった。
 不安定に揺れ動いていた心が、その言葉で少しだけ治まった。
 簡単には吐き出せないけど…もしこのことを教団に知らせようと思える時がきたら、その時は。


「…ちゃんと伝えよう」


 自分の口で誰より一番に、神田に伝えたい。
 そう思えた。

 でも教団幹部や教皇は、中央庁同様に手厳しい相手。
 私にノアの可能性があることを知ったら、有無言わさず拘束するだろう。
 だからこそ少しでも打破できる案が見つかってから、このことを伝えようと思った。
 じゃなきゃ最悪、私は満足な発言も許されないまま死刑台行きだ。


「はぁ…」


 そんな最悪な想像をしてしまって、また凹む。


「…なんで私なんだろ…」


 零れた言葉はここ毎日、自問自答しているものだった。

 一体誰がノアとして覚醒するのか、理由なんてきっとないんだろうけど。
 星の数程いる人間の中、なんだって教団で働いてる私が選ばれたのか。
 もしも神様なんて存在がいるのなら、随分と嫌味というか…残酷な性格をしていると思う。


「…なんて」


 神様なんて、信じちゃいないんだけど。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp