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My important place【D.Gray-man】

第19章 灯火


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「うん、無事イノセンスも確保できたし。万事解決かな」

「ありがとうございます」


 全ての報告を終えた月城が頭を下げる。


「怪我も酷くなさそうだし、安心したよ」


 コムイのその言葉に、取り繕うように月城は笑っただけだった。

 任務の報告の際、包帯の怪我のこともこいつは告げた。簡潔に、AKUMAとの戦闘時に負傷しただけだと。
 というかイノセンスを第一に優先させんのはいいが、自分の体を簡単に張ってんじゃねぇよ。
 レベル3のAKUMA三体に、人間一人で相手なんて分が悪過ぎる。
 あの時俺とモヤシの到着が少しでも遅れていたら、AKUMAの手でミンチにされていたかもしれない。
 冗談にもならない予感に、つい握る拳に力が入った。
 本当にこいつは危機感が足りてない。

 報告の途中につい悪態を挟みそうになって、なんとか沈黙を貫く。


「でも体は休めないとね。報告書は後日で大丈夫だから、休みつつ仕上げてくれたらいいよ」

「すみません。助かります」


 もう一度頭を下げて、司令室を出る月城の後に続く。
 去り際に見えたコムイは、相変わらずニマニマといけ好かない笑みを浮かべていた。

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