• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第18章 ロザリオを胸に.



「だ…大丈夫。すぐ上がるから、待ってて」


 いけない、今は任務中。
 AKUMA討伐もイノセンス回収も済んだけど、教団に戻って報告を済ませないと。
 慌ててミランダさんに応えて、急いでバスタブに入ってシャワーの水栓を捻る。


 サァァ…


 熱いシャワーが頭から降り注いで、足元を真っ赤に染めていく。
 AKUMAの血と、私自身の血と、混ざり合って排水溝に吸い込まれていく。

 額にできた真新しい十字傷。
 頭から被ったAKUMAの血は、少なからずその傷口に触れたはず。
 普通の人間が毒素あるAKUMAの血を体内に入れれば、悪影響を及ぼす。

 だけど私の体は、どこも支障ない。
 寧ろ影響を受けたのは、イノセンスである"退魔の剣"の方。

 それがもう答えなんだろう。


「……」


 バスタブの中で膝を抱いて座り込む。
 その膝に顔を埋めて、熱いシャワーを全身に浴びた。




 私は人間であって

 多分、普通の人間じゃない。




「…っ」


 どうしよう。

 どうしたら。


 こんな額の傷跡、もう絆創膏だけじゃ隠せない。

/ 2638ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp