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My important place【D.Gray-man】

第18章 ロザリオを胸に.



「雪さんッ大丈夫ですか!?」

「う、うん。なんとか…」


 どうにか倒れたAKUMAの下敷きにならずに、地面に足を付けることができた。
 振り返れば、こちらに駆けてくる白い姿。
 やっぱりアレンだ。


「なんでエクソシストが此処に…!?」

「あいつら負けやがったのか…!」


 憎々しげに残されたAKUMA達が声を上げる。
 あのAKUMA達のことを知ってるってことは…仲間だったのか。
 計画的に群で襲ってきたらしい。


「血、飲み込んでませんかっ?」


 傍に寄るアレンが、心配そうに私の顔を伺う。
 恐らく見た目には、AKUMAの血を大量に浴びて真っ赤なんだろう。


「大丈夫。それより助けてくれて、ありがとう」


 顔に付いた血を拭いながら笑って首を横に振れば、ほっと安心した顔でアレンは息をついた。


「あっちのAKUMAは?」

「はい。全て救済終えました」

「そっか、よかった」

「…遊び相手にもなりゃしねぇよ」


 サク、と芝を踏む足音。
 見れば、退屈そうな顔でAKUMAを見ながらこちらに歩いてくる神田の姿。


「テメェらは少しは楽しませてくれるんだろうな」

「ンだと…ッ」

「図に乗りやがって…!」


 トントンと肩にかけた六幻を軽く揺らしながら言う神田に、二体のAKUMAは忽ち怒りを露わにした。


「雪さんは下がってて」

「うん」


 AKUMAの体に突き刺さったままの退魔の剣を抜いて、アレンが構える。
 残り二体のAKUMAに、対峙するアレンと神田。
 これならきっと大丈夫。
 そう安心して、後方に下がりながら僅かに息をついた。


 ──ズキ、


 その時、額に痛みが走った。


「った…」


 こんな時に、と思わず顔を顰めて額を押さえる。
 いつものズキズキとした鈍い痛み。

 頭を走るそれを想像して、




 ──…ズク、




 襲ったのは、全く違う感覚だった。


「…ぁ…?」


 シュウ、と何かが焼かれるような音がする。
 違和感は体にあった。

 額を押さえたまま、何かと体を見下ろす。
 見えたのは先程退魔の剣が貫通していた胸元。


 そこに浮かぶ、奇妙な跡だった。

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