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My important place【D.Gray-man】

第18章 ロザリオを胸に.



「っ!?」


 強く足首を掴まれる。
 見下ろせば、地中から突き出た巨大なAKUMAの手が足を握っていた。

 嘘、まだAKUMAがいたのっ


「つーかまえたァ!」

「やっとかよ…!」


 だけど笑ったのは後方にいる、地面に拳を埋め込んだAKUMA。
 ビシビシと地面の割れが大きくなる。
 ボコッと地中から現れたのは、そのAKUMAの地中に埋まっていた腕。
 それは異様に長く、まるで触手のように伸びて私の足首を掴む手まで続いていた。

 これ、あのAKUMAの腕だったんだ…!


「う、わ…ッ!」

「手間かけさせやがって」

「煩いコバエだったなー」


 一気に縮小して、ばちんっと元の長さまで戻る腕。
 それに引っ張られるように、体はAKUMAの下まで引き摺られた。

 まずい。


「雪ちゃん…! ど、どどどうしましょう…!」

「っ…ミランダ、"時間停止(タイムアウト)"を解除して下さい! 先輩を助けないと…っ」

「ッ駄目!」


 咄嗟にキエさんの言葉を遮る。
 それだけは駄目。
 今"時間停止(タイムアウト)"を解除しても、無駄に被害が増えるだけ。


「イノセンスが優先!」

「でも…ッ」


 強く言えば、ぐっとマオサさんが唇を噛み締める。
 うん、この二人は優しい人だ。
 きっと良いファインダーになるだろうな。


「弱い人間が、見栄張ってんじゃねーぞ」


 引き寄せた巨大なAKUMAの手が、私の胴体を掴む。
 そのまま軽々と持ち上げられて、目の前にその巨大な顔が近付いた。


「言ったよなァ、その体潰してやるって」

「どこからやるー?」


 下品に笑うAKUMA達。
 確かにAKUMA達の言う通り。
 捕まってしまったらそこで終わり、私に逃げ出す策なんてない。


「ま、参りました…負けを認めますから、潰すのはちょっと」

「あアん?」

「今更何言ってんだよ」


 冷や汗混じりに目の前のAKUMAに声をかけてみる。
 だけどやっぱり、聞く耳は持ってもらえず。


「オレの母ちゃん馬鹿にしたんだ、それ相当の罰を喰らってもらわなきゃなァ!」


 え、そんなにあの死語効果あったの。
 というかAKUMAに母親いたの。
 誰ですかそれ。

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