• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第49章 つむぎ星に願いを



「見たところ親子の可能性が高い。此処らを住処にしてるのか」

「えっ親子? 親子って言ったのかい?」

「あ、あたし、ここでセストラルなんて見たことないけど…」

「元々見えねぇんだろ」

「あ」


 そうだった、と口元に手を当てるジニーの目には、本当にセストラルは視認できていないらしい。
 限られた人間にしか見えないと言うが、それは対動物に関してもそうなのだろうか。
 目の前のセストラルの親子から目を離さないまま、神田は辺りの気配を探った。
 やはり人気もなければ動物の気配もない。


「こいつらは肉食か。草食か」

「セストラルは肉食だよ」

「なら此処にチビナスの仲間はいねぇな」


 虎やライオンよりも大きな肉食獣相手とあらば、小さなニフラーは即座に餌だ。
 他の生き物の気配がないのはやはりセストラルの影響だと、神田はそれ以上の探索を諦めることにした。


「これ以上捜したって無駄だ。此処にこの肉食馬以外の気配はない」

「肉食馬て。まぁ確かに、カンダの意見は一理あると思うけど…」

「それより、こんな生き物が此処にいていいのかよ」


 見えはしないが、警戒する神田の姿勢に怯えているのか。
 ぴたりと背後にくっ付いたまま離れようとしないジニーに、神田は別の不穏要素を抱いた。
 ニフラーにとって脅威となるであろうこの生き物は、人間にとっては有害とならないのか。


「お前らの家のすぐ傍だろ」

「危険生物ではあるから、見つけたら保護するのが一番だとは思うけど…親子なんだろ? 僕も魔法動物に詳しい訳じゃないけど、子を守る親ってのはどの動物も一番危険だ」

「なら尚更保護対象だろうが」

「それができるならって話だよ。見えもしないのに」


 放っておいていい訳でもないが、この場で的確な対処ができるとも思えない。
 そう結論付けたフレッドは、一度家に戻ることを二人に提案した。


「父さんにこのことを話せば、魔法省で働いてるし何か手を打ってくれるかもしれない。一度ここは戻って、ジョージ達と合流しよう」

/ 2637ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp