My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「ふぅん?」
そんな二人をまじまじと見るラビの目が、観察する者の視線へと変わる。
「あ、また嫌な目してる…」
「嫌ってなんさ雪」
「なんだい、意味深な目をして」
「いやさ。オレ、フレッドとジョージの見分け方がわかっちまったかも」
「え? 見分け方?」
その返答には雪も興味を持ったようだった。
頭から爪先まで瓜二つな双子は、性格も瓜二つ。
よくよく聞けば微かな声音の違いはあれど、それさえも双子故によく似ている。
そんな双子の違いをブックマンJr.はどう見分けたのか。
「昨夜散々ゲームの相手してわかったけど。性格が違うんだよな、二人って」
「そうなの?」
「フム。興味深い」
「フレッドの方がお調子者感強くて、悪戯好きって言うか。ジョージはフレッドがやり過ぎないように偶に釘刺してるし」
「へぇ…そうなんだ。気付かなかった」
「僕も意識したことはないけど、確かに突拍子もないことをよく思いつくのはフレッドかもしれないな」
うむうむと顎に手を当てて頷くジョージが言うのであれば、的を得ているのかもしれない。
流石観察の虫だと雪が感心する中、ラビはにんまりと笑みを深めた。
「それに誰かさんを見る目が、フレッドとはちっとばかし違うみたいだし?」
「誰かさん?…て誰」
「…フム?」
翡翠色の隻眼の視線を受け止めたジョージもまた、にんまりと笑みを返す。
「そりゃあ僕らは双子でも、心まで同じじゃないからね。感情だって違って当然さ」
「そういうもん?」
「そういうもん」
「そういうもんなの?…で、誰かさんって?」
「ユキ、ニフラーの様子はどうだい? 何処か居場所に関心を持ってたら教えてくれるかな」
「え? あ、うん。どうかな、ニフラー」
ジョージに提案され、抱いたニフラーの様子を伺う雪。
意識が腕の中の小さな魔法動物に向いたことを確認して、ジョージは再びラビに笑顔を向けた。
『悪いけど僕らは同盟仲間なんで。特別視してるのは寧ろラビの方だろ?』
『同盟仲間だから特別視しないって決まりはねぇさ。オレってばちゃんと自分の立場は理解してる良い子なんで』
「特にニフラーは何も…何二人してにこにこ笑い合って。なんか怖い」
「別に」
「なんも」