My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「ニフラーの生息地というものの詳細はわからないが、昔水場の近くで見たことがある。行ってみる価値はあるかな」
「成程…助言ありがとうございます、ビルさん」
「いや。寧ろわざわざ此処まで足を運んで来たのに、これくらいしか力になれなくてすまない。俺はこの後用事があるけど、フレッドとジョージならつき合ってくれるだろう」
「勿論」
「他ならないユキの頼みならね」
パンケーキとサラダで腹を膨らませた双子が、一にも二にも頷く。
「んじゃ、双子とオレらだけで行くんさ?」
「僕は監督性としてしておかなければならない準備があるんでね。そういうことは二人に任せるよ」
「パーシーはいっつもこうだから気にしなくていいよ。勿論僕は行」
「ロン」
「…あー…残ってた課題があったんだっけ…」
蜂蜜バターたっぷりのパンケーキを頬張っていた手を止め、ぴしゃりと名を呼ぶハーマイオニーにロンは渋々首を横に振った。
さながら二人の将来の関係性が今から見えるようだと、雪の顔が綻ぶ。
「ここまでつき合ってくれただけ満足だよ。ありがとう、皆。朝ご飯も美味しかったし」
「…もう、大丈夫そう?」
「何が?」
じっと雪の顔を見つめて問いかけてくるハーマイオニーに、同じく視界に入るロンが首を傾げる。
「うん」
「ならよかった」
「だから何が。僕を挟んで知らない会話するなよ」
多くは語らずとも、雪のその笑顔だけで充分だった。
ロンだけが不満そうに再びパンケーキを大口で頬張る中、ハーマイオニーはほっと安堵の息をついた。
(予感は的中ね)
顔を真っ赤にさせたジニーが、慌てて二階から一人で下りてきた。
その時に感じた予感は、どうやら良い方向に進んだようだと。