My important place【D.Gray-man】
第18章 ロザリオを胸に
「そいつで遊ぶんじゃねぇよ」
激しくぶれる世界。
気持ち悪さが限界を迎える前に、一瞬黒い何かが映し出された。
同時にザンッと何かを断ち切る音がして、AKUMAに振り回されていた体は急に宙へと放り投げられる。
「ギャッ!」
「ひゃ…ッ!」
AKUMAの悲鳴と、私の悲鳴が同時に上がる。
だけど放られた私の体は地面に衝突することなく、白い腕に抱きとめられた。
「大丈夫ですか?」
「ァ…アレン…っ」
見上げた視界に映ったのは、夜空に栄える白い髪。
なんとか頷けば、緊迫していた表情が優しく笑い返す。
こんな状況下でも、アレンのこの笑顔を見るとなんだかほっとするな…。
「オレの腕がァア~ッ!」
つんざくような悲鳴。
はっとして目を向ければ、腕を綺麗に斬り落とされたAKUMAが悲鳴を上げる姿が見えた。
切断された腕から血飛沫が雨のように降り注ぐ。
その前で逃げる素振りも見せず、抜いた六幻を手に立つアレンとは対照的な真っ黒な姿に状況を理解した。
どうやら神田が、私の足を掴んでいたAKUMAの腕を断ち切ってくれたんだ。