My important place【D.Gray-man】
第18章 ロザリオを胸に.
「カーラさんも、此処にいて下さい」
「なんだい、アクマって。本当にそんなものいるなら、見せてもらいたいもんだね」
見ない方がいいです、危険だから。
不信そうな目を向けてくるカーラさんを宥めながら、ミランダさんの傍で待機させる。
「キエさんとマオサさんも、中で待機して」
「わかりました」
「先輩も、危険ですから中にいて下さい」
「うん」
ファインダーの私じゃAKUMAを倒す術はない。
AKUMA討伐は神田とアレンに頼るしかない。
言われるまま、私もベン・マーチンの墓に寄ろうとした。
──その時。
ボコッ!と、足元が先程と同じ音を立てて崩れた。
「ッミランダさん!」
「タ、"時間停止(タイムアウト)"!」
咄嗟に飛び退いて叫ぶ。
ミランダさんの持つレコード状のイノセンスが、忽ちその周りに透明な結界に似た空間を作り出して皆を囲う。
「雪先輩っ!」
崩れた足場に、飛び退いた私だけを除いて。
「大丈夫! 二人はミランダさんのサポート!」
さっきと同じ。突如地面を崩して現れたのは、巨大な体のAKUMA。
機械的な繋ぎ目をあちこち持った体は、さっき私を襲ったAKUMAと似通っていた。
でも多少の違いはある。
これはさっきのAKUMAの群とは違う。
まだ隠れてたんだ…っ
「此処かァ、イノセンスは!」
「おい、なんだコレ。透明な壁があんぞ」
「このクソ女だ!」
一体、二体、三体。
合計で三体のAKUMAが、地中から現れイノセンスを狙う。
「オイ! そこの貧弱女!!」
「此処を開けろォ!」
「ひぃい…! い、嫌です…!」
ガンガンと巨大な拳で、ミランダさんの"時間停止(タイムアウト)"の壁を殴り付けるAKUMA達。
駄目だ、これじゃ破られるのも時間の問題かもしれない。