My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「本日のWWW営業時間は終了だ」
「ユキの都合が良ければ、この後僕らの家に招いてあげるよ」
「本当っ?」
「でも今日って…確か、アーサーおじ様の…」
トントン拍子に進む話の腰を折ったのは、歯切りが悪そうに口を挟むハーマイオニーだった。
珍しい彼女のその姿に、理由を知っているのかウィーズリー家の面子に驚く様子は見られない。
「構わないだろ。なんたって父さんは生粋のマグル好…イッ」
「? なんでそこでマグルが出てくるのさ」
ついぽろりと口を滑らせたフレッドの足を、机の下でジョージが踏みつける。
雪がマグルであることを知っている魔法使いは、この場では双子のみ。
不思議そうに首を傾げるロンに、ジョージがにこやかな笑顔を返す。
「ユキは長いこと、マグルとして生活してたんだよ。なっ」
「う、うん」
「そうか…だからお前さんは、ホグワーツに通えなかったんだな…」
以前、雪が咄嗟の機転でホグワーツに通わせて貰えなかったと、ハグリッドとハーマイオニーに話したことがある。
それが今回、運良く信憑性のある材料となったらしい。
静かに声を落とすハグリッドに、頭の切れの良さを誇るハーマイオニーもまた何を反論するでもなく。
皆、ジョージの言葉を呑み込んでいた。
「で、そのアーサーおじサマのなんの日なんさ? なんか大事な日っぽいけど」
会話の流れの中で大事なワードを拾っていたラビが、軽く挙手して切り出す。
結局、今日はなんの日なのかと。
ラビのその疑問にぱちりと目を合わせると、フレッドとジョージは息ぴったりに声を揃えた。
「「今日は父さんの誕生日なんだ」」