My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「今回は仕事じゃないよ。私情で、ちょっと」
「へえ。それってどんな私情?」
「それも半分は解決…というか、終わっちゃったんだけど…」
「そうなの?」
きょとんと首を傾げる双子に苦笑しながら、雪は掌で包んでいた火消しライターをポケットに戻した。
ダンブルドアに返還はできなかったが、無闇矢鱈に周りに見せびらかす物ではないことは理解したからだ。
「折角ハーマイオニーに呼ばれて来たってのに」
「じゃあその残り半分は?」
「それは…あれ」
「「?」」
あれ、と言って雪が指差したもの。
それは席に置かれた雪の荷物。
ぽこりと膨らんだポケットが、もこもこと動いている。
「野生のニフラーを思いもかけず保護することになっちゃって。何処で自然に戻すか、ハグリッドに聞いてたの」
「ニフラー?」
「あれか。金目の物が好きな」
どうやら魔法界で、ニフラーは一般的に馴染んだ魔法動物であるらしい。
ガタリと席を立ったハグリッドが、大きな胸を更に張る。
「そうだユキ! その話をせんとな! さぁ座れ」
「うん」
そんな二人のやりとりを見ていた瓜二つの赤毛が、お互いに目を向け合う。
ぱちりと瞬いた後、息ぴったりにその顔と口はハグリッドへと向いた。
「「それなら、ぴったりな所があるけど」」