My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「元気にしてたかい?」
「うん。二人は?」
「ユキに会えなくて寂しい思いをしてた以外は、元気かな」
駆け寄る雪に、挨拶のハグとキスを交わす。
照れながらも笑顔で受ける雪の姿に、ロンはぱちりと目を瞬いた。
「知り合いって、本当だったんだ…」
「信じてなかったの?」
「そうじゃないけど。あの二人が特定の女の子と仲良くしてるなんて、あんまり想像つかなくて」
「…まぁ、それもそうかも、ね」
「そういうキャラなんさ? あの双子」
「そうね。いつもおふざけが過ぎてるし」
「なんにでも軽い感じだから」
「…なんでめっさこっち見るんさ」
笑顔でロンとハーマイオニーの会話に入り込むラビに、向けられるのは訝しげな目。
「なんか、あの二人に似てる感じがしただけよ」
「そうそう。気にしないで」
「いや気になるさそれ。遠回しにオレのことチャラいって言ってない?」
「「言ってない言ってない」」
「息ぴったしだなオイ!」
騒ぐテーブル席に、雪との再会を喜んでいた双子の目が向く。
「これまた新しい顔ぶれ連れてきたな。前に見たことがあるけど」
「ラビっていうの。私の仕事仲間の一人だよ」
「ラビ? あだ名かいそれ」
「ううん。名前」
「これまた面白い名前で…」
「そう言ってやるな兄弟。カンダユウだって充分面白い名前してるだろ」
「ああ。カンダユウね」
「喧嘩売ってんのかテメェら」
「ワオ。いたのかカンダユウ!」
「全然動かないから、てっきり彫刻かと思ったよカンダユウ!」
「ァあ!?」
(わあ…遊ばれてるなぁ…)
わざとらしく大袈裟な反応を見せる双子に、バン!とカウンター席を叩いた神田が反応を示す。
どうにも赤毛の人種は、騒ぎ立てるのが得意なようだ。
あの形相を前にしても敢えて神田に挑んでいく双子の姿に、雪は感心さえした。
「それで、なんでまたこっちに? 観光にでも来たのかい?」
「それともまた仕事関係とか?」
何処かわくわくとした表情で問い掛けてくる双子は、大いに雪の組織に興味を持ったようだ。