My important place【D.Gray-man】
第48章 フェイク・ラバー
「ティッキー、前にボクのこと悪魔みたいだって言ったことあったよねぇ」
「な…ッ悪魔だって!?僕の可愛い天使ロードが!?ティッキー酷い!!」
「御主は本当にロードのこととなると煩いのう…」
掴んでいたティキの服の裾を離し、一歩距離を取る。
両手を背中で合わせて首を傾げながら、ロードはふわりと幼女らしかぬ笑みを浮かべた。
「でも今のティッキーの方が、似合ってると思うよぉ」
「それ褒め言葉?」
「うん♪」
「…そりゃどうも」
にっこりと今度は愛らしい少女の笑顔に変えるロードに、一先ず礼は添えて。
じゃあ、とティキは部屋の中央でノア達に向き直った。
「千年公にも一応、許しを貰いに行かないとな」
「あん?許し?」
「ヒ?なんの?」
「決まってるだろ」
以前は千年伯爵の意志に従ったが、今回はそうはいかない。
遊びは終いだ。
「害虫駆除」
雪の精神を左右するのならば、神田ユウの死を彼女の前で見せなければいい。
後々もしそれを雪が知ることとなっても、彼女の身柄が既に手中にあればそれでいい。
いずれにせよ夢は終いなのだ。
邪魔をする者がいるならば、排除するまで。
それは彼女に纏わり付く害虫も同じこと。
仮初の愛を謳う男に、くれてなどやるものか。