My important place【D.Gray-man】
第18章 ロザリオを胸に
「大体、雪さんへの扱いがいつも雑なんですよ。馬鹿みたいに頭叩いて。それこそ神田みたいに頭悪くなったらどうするんですか。神田みたいに」
「ぁ、あの…」
「ァあ? ならテメェがこいつの代わりになれよ。馬鹿になるまで殴ってやる」
「いや、あの…っ」
「それなら僕が神田の代わりになってあげますよ。雪さんとの任務は全部受け持ちますから、大好きな鍛練でもしてて下さい。24時間」
「ちょ…っ」
「んだとテメェやんのかッ」
「いつでもどうぞッ」
「ち、ちょっと待ってストップ!!」
モヤシとの間でぶつかる、互いの殺気を込めた視線。
声を荒げれば、間に挟まれていた月城が悲鳴を上げた。
「喧嘩するなら他所でお願いします…!!」
俺とモヤシの殺気を間近に感じてる所為か、顔面蒼白。
「お、おぉおお落ち着いて二人共…! 喧嘩は駄目よ…!」
「とりあえずミランダが落ち着こうな」
「全く…顔を合わせれば喧嘩ばかり。幼稚過ぎですね」
「あははー。二人らしいじゃないか」
「そこ! 傍観してないで助けてくれません!?」
遠目に傍観するリーバーや監査野郎やコムイに、月城が助けを乞う。
なんで助けなんだよ。
別にお前に喧嘩なんて売ってねぇだろ。
「と、とにかく落ち着いて…っ神田が私に手を上げるのは、私がヘマした時だけだし。私が悪いからっ」
「だからって女性に乱暴なんて」
「アレンの気持ちも嬉しかったよ。ありがとう」
未だ不服そうなモヤシに、取り繕うように笑いかける。
「折角久々のアレンとの任務だから。私、楽しみにしてたんだけどな」
「…はい」
そんな月城の言葉に、渋々とモヤシは口を閉じて小さく頷いた。
「今回は神田だけじゃなく僕がいますから。何かあれば遠慮なく頼って下さいね」
「アレンもね。色々と大変でしょ。…無理したら駄目だよ」
多くは語らず、心配そうに伺う月城にモヤシの顔が僅かに驚く。
恐らく月城が危惧してんのは、クロス元帥関連のことだろうが。