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My important place【D.Gray-man】

第48章 フェイク・ラバー



✣ ✣ ✣ ✣


「っ…ふ…」



唇の隙間から吐息が溢れ落ちる。
息が上がったかのように、晒された胸が上下に波打つ。
その度にふわりと純白の薄い生地が肌の上で揺れた。



「ふむ、やはり白はいい。中身がどんな肉であれ、純潔に見せてくれる」

「…っ」

「まるで処女のように。君もそう思わないかい?」

「っ…!」

「ああ失敬、言葉を失っているんだったね。あれだけ濃度の高い薬を打たれていれば当然の結果だ。安心したまえ」



穏やかな表情で語りかけるリッチモンドとは相反し、車椅子に乗せられている雪の表情は険しいものだった。
否。
それは内心のものだけで、どんなに顔と体を強張らせようとも力が入らない。
最初は強い痺れを感じていただけだったが、やがて筋肉がふやけてしまったのかと思えるような脱力感が体を襲った。
力の入らない唇も舌も思うようには動かせず、言葉を発することができないのだ。



「さあ、これで完成だ。パウダーで上手く傷跡も消せただろう?」



無防備な体はリッチモンドの手で好きに仕立て上げられた。
身に付けていた仮装衣装は全て取り払われ、代わりに着せられたのは面積の狭くシースルーのように透けた下着類。
花のレースをあしらったショーツは辛うじて局部を隠すのみで、心許無い細い紐で左右を結ばれ腰に引っ掛かっている。
胸を隠す下着は付けることを許されず、前開きの腰までの長さのベビードールを着用させられているだけ。
胸元を大きく晒しながらあしらわれたレースが、胸の二つの頂きを辛うじて隠している。
その他は肌の見える透けた生地。
寒さ故か、ふるりと肌を震わす雪を労るようにリッチモンドの手が頭を優しく撫でた。



「おっと、一つ忘れていた。ショックで舌でも噛み切られてはショーも台無しだ。さあ、口を開けて」

「ぁ…く、」



無造作に口の中に指を捩じ込まれて、無理矢理唇をこじ開けられる。
そこに押し付けられたのは、固く丸いゴルフボールのような物。
幾つも空洞の穴が空いている為、息をする分には困らない。
しかし左右のベルトを後頭部に回し固定されてしまうと、口は閉じられなくなった。

力無く雪が俯くと、咥内の唾液がボールの穴を伝い滴り落ちる。
素肌を晒す太腿に滴る唾液を、リッチモンドは丁寧にハンカチで拭い取った。

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