• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第17章 蓮の湖畔で君を知る



 神田が私を、認めてる?


「まさか」


 思いもかけない言葉に、つい反射で否定する。
 だって神田は弱い人を嫌うから。
 私自身、自分はまだまだ弱いと思ってる。


「あの子は素直だけど、少し不器用な子だからね。なんでも怒りの感情で表しちゃうんだよ」


 それは、まぁ…なんとなくわかりますけど。
 でもだからって、私をファインダーとして認めているとは思わない。
 というか、思えない。

 何かあればすぐに阿呆だの愚図だの言われるし。
 何かあればすぐにスパスパ頭を叩かれるし。


「あの子は興味のないものには、怒りの一つだって向けないよ。怒るのはそれだけ相手を見てる証拠なんだ」


 さらりと告げる元帥の言葉に、改めて考えてみる。

 言われれば、確かに。
 初めてのモロッコでの任務の時は、神田は私に対して無関心そのものだった。
 私の生死そのものさえ、どうでもいい感じだった。
 怒鳴られたり殴られたりするようになったのは、あの任務の後からだ。


「でも…やっぱり怒るってことは…嫌な気にさせてるってことですよね…?」


 見てくれるのは嬉しいけれど、怒られて良いとも思えない。
 罵声も拳も甘んじて受け入れてるけど、私別にMじゃないんです。
 怒られて喜ぶなんてこと、間違ってもないです。
 神田の拳、本当に容赦ない時は微塵も容赦ないから。
 痛いんですよ、あれ。


「それだけじゃあないよ」


 恐る恐る告げると、のほほんとした緩い雰囲気で元帥は首を横に振った。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp