My important place【D.Gray-man】
第47章 リヴァプールの婦人
「二人には今回、別の仕事を持って来たんデスヨ♡シェリル♡」
「君達を見てると、その汚さに毎回嫌気が差すんだよねぇ…鳥肌立ちそう」
「ァア?オレらがどういう身形しようが勝手だろ!」
「デロ綺麗にしてるもん!このゴールデン美髪だってデビットが毎日セットしてくれてるんだから!」
「そこじゃなくて、その服装だよ。ふ・く・そ・う!なんでそう悪趣味なの着るかな」
心底嫌気の差す表情でじろじろとシェリルが見やるは、ジャスデビのパンクロック調の服。
至る所網目模様で露出した肌に、嫌だ嫌だと首を横に振った。
「大体そのズボン、どういう造りになってるのさ。下はちゃんと履いてるんだろうね?」
「ヘッ!ンなもん履いてねーよ!」
「ノーパンだよ〜!」
「な…っけ、汚らわしいッ!」
どう見ても下着が見えてしまう造りの露出したズボンを身に付け、堂々と下着は履いていないと宣言する。
そんなジャスデビに、忽ちシェリルは嫌悪感を顕にした。
「やっぱり一度、常識を叩き直す必要があるね!ということで一から君達セットし直し!」
「「はぁ?」」
「二人の新しい仕事は此方デス♡」
ビシリとシェリルに指を突き立てられ、息ぴったりに怪訝な顔をするジャスデビ。
聞く耳などない双子の前に掲げられたのは、伯爵が懐から取り出したトランプのカード。
「「はぁあぁあ!?!!!」」
そこに記載されていた仕事内容を見るや否や、双子は目を剥き素っ頓狂な悲鳴を上げた。
「うーわー…面倒臭そ」
「そぉ?ボクは面白そうだと思うけどなぁ」
左右から同じくトランプを覗いたティキとロードが、真逆の反応を示す。
「ンだよこんなのやってられっか!」
「そーだそーだ!デロ達はクロス捜しで忙しいもんね!」
「でもこれ千年公の命だけど?」
「「うぐ」」
サラリと涼しい顔で言い切るシェリルに、嫌だ嫌だと喚いていた双子の勢いが止まる。
肩が下がり、足は止まり、メークで濃く縁取られた二人の目が恐る恐る見つめた先は。
「未経験の場を踏むことは勉強にもなりマスヨ♡」
「けど…オレら」
「案外楽しいかもしれまセンシ♡」
「ヒ…だけど」
「偶にはきちんと仕事してらっシャイ♡」
「「………スンマセン」」
絶対の存在、我らが社長である。