My important place【D.Gray-man】
第46章 泡沫トロイメライ
見ず知らずの熱に犯され揺さぶられる、悍ましいだけの行為。
「嫌…っやめ…てぇッぁ…ッ」
なのに。
「ひぁっ!それ、や、だ…っぁあ…ッ!」
拒否する心を上回る程の強い快楽に、意識が押し潰される。
嫌だと口では喚くのに、自分の蜜部の奥が戦慄いているのがわかった。
快楽を求めようと子宮口が下りていくのがわかる。
ずぐずぐと、痛い程の快感に。
体の芯が、頭が、痺れる。
「ぁ、ふあ…ッ!や…て…ッ」
「ハァ…ひは、ははは…ッ」
「こんなの…っんぁ…あっ!」
どんなに声を荒げても、相手はまともに取り合ってくれない。
奇妙な声で笑いながら、浅ましく腰を振ってくる。
大きな津波のような快楽に打ちのめされる。
悲鳴がまともな悲鳴にならなくて、更に生理的な涙が溢れた。
気付けば、ぞわぞわと四肢を隠す程に絡み付く黒い触手が増えていた。
真っ黒な波のように、私と影のまぐあいに絡み付きながら呑み込んでいく。
───駄目だ
本能的に感じた。
この波に呑まれたら駄目だ。
全部呑まれてしまえば逃げられない。
「ぃ、ゃ…っ」
まるで底無し沼のように、ずぷりずぷりと沈んでいく私と影の体。
それでも続く浅ましい行為に、頭と体の痺れは一切取れない。
熱い欲望の芯に体を貫かれながら、それでも微かにでも声を振り絞っていれば──…視界を、"それ"が覗き込んだ。
「───」
暗い部屋。
ようやく慣れた目に映し出される、謎の影の顔。
微かに映ったのは、黒い肌に黒い髪。
そして、その眼は───
「んぅ…ッ」
目元を確認する前に、伸びた舌が絡まり深く口付けられた。
触れる舌が、熱い。
「ん…んん…ッ!」
逃げ場のない中で叩き込まれるような快楽に犯されながら、黒い波に呑まれて消えゆく。
「んぅ、ふ…ッぁ、は…っ」
上も下も塞がれて犯されて。
まるで体の内側からどろどろに溶かされていくような、自分を見失いそうになる程の快感。
その最中に感じたもの。
それは咽返るような、血の味だった。