My important place【D.Gray-man】
第46章 泡沫トロイメライ
「お前が欲しいなら、ちゃんとやる。望みがあるなら言え」
そうだ。
ユウは私の欲しいもの、ちゃんとくれた。
今まで誰もくれなかったものをくれて、そして求めてもくれた人。
「…まだ、ユウを一人占めしていたい」
皆と騒ぐ時間も勿論好き。
私にはこの教団で皆と過ごす時間は、今ではどれもかけがえないものだ。
…だけど…ごめんね、皆。
今はまだこの人に甘えていたいから。
小さな声で告げた想いは、形となって表れた。
「なら───…やるからには、俺にも寄越せよ」
寄せられた唇が触れたのは、数時間前に同じに唇で触れられた鎖骨。
「そういう顔で言われたら、我慢できなくなる」
そういう顔ってどんな顔。
わからなかったけど、問う余裕もなかった。
ちりり、と唇に触れられた箇所が熱を帯びる。
甘くて、熱くて、蕩けるような誘い。
体の怪我とか、部屋に残した皆のこととか。
そういうことを気にする前に、目の前の体温に熱は奪われた。
「それでも来るか」
…愚問だよ。
そう応える代わりに、ユウの首に両腕をそうっと絡める。
密着する体に、体温を分け合うように。
私の出した答えに、ユウの目色が変わった。
あ。
これは、捕食者の時の───
「───ん、ぅ…っ」
甘い。
触れられる体のどこもかしこも、甘く染められているような感覚。
その甘さは痺れとなって体を巡る。
あまいあまい、甘美な刺激だ。
「何声抑えてんだよ」
「っ…抑え、てな…ぁ、んッ」
上半身を起こした体勢で、高い位置から見下ろしてくるユウの顔。
否定しようと枕から顔を離せば、見計らったように膣内を抉られる。
ユウの熱いモノで弱い所を刺激されて、堪らず鼻に掛かった声が漏れた。
「出るだろ、そうやって。もっと、」
「で、も…っは、ぁッあっ」
ベッドに横たわる私の腰を両手で掴むと、逃げ場のない体内にずくずくと熱を打ち込んでくる。
深い場所と言うより敏感な浅壁を擦られることが多くて、上がる嬌声は止めようがなかった。
薄暗いユウの部屋。
其処で熱を発しているのは二つの体だけ。
産まれたままの姿で交じり合うは、愛の契。
望み通りに私にユウを一人占めさせてくれたから…私の全部も、そこであげた。